●音楽プロデューサー 矢部敦史 インタビュー

伝統と革新を兼ね備えたテーマ曲

 昨年(2004年)夏、田原プロデューサーとオープニングテーマ曲の打合せを初めてした時の事です。次の様な事柄がシリーズのテーマ曲として求められないかと話し合いがなされました。

 大河物語としての悠々と流れる大きさと、アニメーションならではの忍者アクションを現せるような躍動感とが同時に欲しい。
  また、戦国時代の英雄たちの熱い生きざまが、そこに内包される「魂」のある音楽がないものかと。
  さらに本アニメならではの特色として「和」の響きにこだわりたい。

 これらの難しい要素を兼ね備えたアーチストとして浮かんだのが、三味線奏者の上妻宏光さんでした。上妻宏光さんは津軽三味線の名手として、伝統的な世界で第一人者としてのポジションを得ているのにもかかわらず、そこから更にダンスミュージックやジャズとの融合を試みて、常に新しい世界を創造している、音楽家であり革命家です。

 このような上妻さんであれば、普段アニメを見る習慣のない方にも、アニメファンにも、この作品の挑戦と気概が伝えられると考えました。また、日本のみならず欧米でも活躍する上妻さんの音楽であれば、ジャパニメーションとして本作品が海外に紹介されて行く時のイメージシンボルともなるのではないかとも思いました。

 今回、上妻さんの事務所、レコード会社にお願いした結果、快く承諾頂きました。三味線がアニメのテーマ曲となることに驚いてもいらっしゃいました。丁度、ニューアルバムをこれからレコーディングに入るところなので、今回のテーマ曲も一緒に考えましょうという事になりました。

 後日、アルバム「永遠の詩」のミックスが上がったので聞きに来て欲しいと連絡を頂き、スタジオに伺って仕上がった楽曲群を聞かせて頂いた時、私と田原プロデューサーの心が踊りました。どの楽曲も、本アニメの音楽としてぴったりの素晴らしい曲たちばかりでしたから…上妻さんにお願いして本当によかったと思いました。

 オープニングテーマ「刹那」は、三味線と和太鼓だけのシンプルな構成でありながら、躍動感と疾走感溢れる楽曲です。伝統的な楽器による最小限の和のユニットであながら、しっかりとした強さと未来に通じる革新性を持った楽曲です。

 ここに感じられるそれらの想いがアニメと共に視聴者の皆さんの元に届くことを願っております。

オープニング画面
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