キートン山田 写真1 石田三成役
キートン山田
Q アニメの本格時代劇と聞いて、最初どのような印象をおもちになりましたか?

 昔の『一休さん』、あれも時代劇でしたね、殿様の役をやらせてもらいましたねえ(笑)。でも一休さんは相当現代的にアレンジしてましたから、ここまで本格的じゃないですよね。これは眞田十勇士に史実を絡ませて、ほぼ史実のまま作っていくほんとに色濃い時代劇だから、難しいなあって思ったんですよ。でも歴史ものは、長くやってくと面白いでしょうね。
Q 今回、西軍の大将・石田三成を演じられていかがですか?  

 最初に田原プロデューサーから「前作の『銀英伝』のキャゼルヌ役のイメージがあるんです」ってお話がありましてね。こちらは時代劇という違いがありますけど、まあ『銀英伝』もある種時代劇でしたが、だから特に役作りのことはあまり考えませんでした。

 三成は西の将で、特に時代劇の武将は感情を出さないじゃないですか。さらにアフレコの時はまだ絵が完成してなかったりするわけですよ。ちょっとした眼の動きとか顔をそむけるとか、細かな表情を想像して演じました。表情を読み取れないなら、言葉の中身で理解するしかないですよね。僕は他の声優さんと一緒のアフレコではなくずっと別取りでやってきたので、相手との掛け合いがうまく表現できてるかなあと心配です。だから放映されたのを見たらきっと、あーっ、こういうことだったのか! と思うところがあるでしょうね。

 出番が短かったので、もっと関わっていきたかったですね。他の武将ともそうですし、部下の兵隊とももっとエピソードがいっぱいあっただろうし。でも早く死んでしまって、これから長いシリーズになって全巻通して見たときに、みなさんの印象に残りますかねえ。今日の4話で死にましたからね(笑) でも今までちゃんと歴史を語ってきましたから、これからこの作品はおもしろくなるんじゃないですか。三成は、時代背景からすると非常に大事なところですよね。

Q 演じてみて、石田三成はどんな人物だと感じましたか?

 三成は、今で言えばサラリーマンですよね。苦しい立場だったんじゃないかなあ。板挟みのように大将格になってしまったんでしょう。その結果、簡単に敗れたわけですけども、潔いって感じですかね。潔いっていうのはちょっと格好良い言い方だけど、昔は敗れたら切腹するか斬首になるかっていう時代ですから、仲間をかばう三成は友情に厚いいい人物なんでしょうね。

 戦国時代はちょっと残酷な社会だと思います。そういう時代がこれからは絶対あって欲しくはないですね。ひとつの歴史として受け止めていますけど、短い一生をひとつの戦いによって死んで行かなければいけない者たちの無念さが残っているような気がします。そんな内面の無念さが伝わればいいなと思います。

 あの時代があって今日がある。あの時代は実際あったことで今とこんなにも違うのに、人と人との関わり方は変わってないと思いますね。でも、勝っても敗けても格好良いいものじゃないと思いますよ。日本はそういう愚かなことをやっていたんだなということを、この作品を通じてちょっとでも感じくれたらと思います

Q 最後に、ファンにメッセージをお願いいたします。  

 戦いの中にも友情が出てきて、幼いころから育って来た者同士であっても戦場での別れとは死に別れ。そこは男の辛さだっていう、こういう点ですよ!(笑) 三成は1回も笑顔を見せてないし、かといって思いっきり悔しい顔も見せてないし、秘めたものを内に秘めて淡々として非常にクール。クールといってもニヒルではないし、これが武士なんでしょうね。いろんな時代劇、大河ドラマでも武士はそう描かれてますでしょう。ほんとは日常では笑ったり怒ったりしたはずなのに、武士だからずっとしかめっ面しか出てこないとこあるじゃないですか。でも日本の兵隊なんか、戦争の裏話を聞くと結構楽しくやってた。『二等兵物語』なんて映画見てみるとそうですよ。でも次の日は死ぬかもしれない、それが現実だったんじゃないかと思いますね。だから実際の映像には出ていなくても、そういう日常があったと思って見ると違った楽しみがあるはずです。

 今日4話で死にましたけど(笑)、三成みたいな人物があの時代にはいたんだということを思い起していただければいいんじゃないかと思います。

キートン山田 写真2
ありがとうございました