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第1期シリーズ「九度山篇」 あらすじ


『眞田十勇士』とは

 『眞田十勇士』とは戦国末期に活躍した武将・眞田幸村(史料的には信繁)の10人の部下(猿飛佐助、霧隠才蔵、三好晴海、三好伊三、海野六郎、禰津甚八、望月六郎、穴山小助、筧十蔵、由利鎌之助)のことです。(因みに「眞田」は一般には「真田」と表記されますが、「眞田」が真字です)

 無論歴史上に実在した人物ではなく、一般には明治から大正にかけて刊行され大人気を博した「立川(たつかわ)講談文庫」で創作され、確立したと言われていますが、江戸時代に書かれた作者不詳の『真田三代記』や『難波戦記』にその原型となるキャラクターが登場しており、庶民の間に膾炙した口伝や講談から自然発生的に生まれた伝説的ヒーローと言えるでしょう。(猿飛佐助も立川文庫で孫悟空をモデルに生み出されたというのが定説でしたが、近年江戸時代に書かれたと思われる文献にその名が発見されたという説などもあってその本当の出典は不明です)

 その後も『猿飛佐助』や『眞田十勇士』をモチーフにした小説が、織田作之助、林芙美子、柴田錬三郎、五味康祐、檀一雄、富田常雄、笹沢左保、荒巻義雄などによって書かれており、戯曲でも福田善之の『真田風雲録』などがあって、実に普遍的なキャラクターとして定着していると言っていいでしょう。(その他にも“十勇士”ではないが、井上靖の『真田軍記』、池波正太郎の『真田太平記』などの歴史小説の“真田もの”は数多く書かれています)

 無論映像化も何度もされ、詳しいことは知らなくても猿飛佐助の名や『眞田十勇士』というものがあるというのは国民の常識といっても過言ではない程の知名度を持ちます。

 ですが、(このモチーフは出版の世界では次々に新しい作品が発表されていますし、最近ではゲーム化もされていますが)映像化はここ暫くされていません。『サムライディーパーKYO』に脇役で登場しましたが、あれは完全に異世界ものでしたから、純然たる時代劇・歴史劇としては暫くご無沙汰状態になっています。自然、名前を知っていても内容は知らないという層が増えています。

 ですが、今「立川文庫」を読み返しても十分に面白く、その面白さは少年マガジンや少年ジャンプなどのマンガの面白さと相通ずるものがあると思います。

 テレビでは「時代劇が受けない」という風潮がありますが、NHK大河ドラマなどでも新しい時代劇ファンが開拓されていますし、劇画の世界では時代・歴史ものがブームになっています。

 それは従来の「チャンバラ劇」が噴飯ものとして飽きられてしまった一方で、歴史劇には興味を持つ世代が育っているといえるのではないでしょうか。

 今回、『銀河英雄伝説』のスタッフが、そこで培った「架空の歴史ドラマ」というコンセプトを、SF的舞台ではなく、「実際の歴史を背景にしたフィクション」という形で結実させようと挑むのに、この『眞田十勇士』を選んだのはそんな背景があります。

 史実的背景を無視(或いは軽視)した講談的世界ではなく、それらが持つ面白さの要素は活かしながら大人の歴史ファンが見ても納得してもらえるような歴史劇アニメ、それが今回の『新釈 眞田十勇士』です。

 いわば「陸の『銀英伝』」或いは「戦国時代の『ベルばら』」そんな作品だと思って下さい。